心地よい未来のために
始めよう、SDGs
vol.9
- 08 働きがいも経済成長も -
持続可能な開発目標であるSDGs(Sustainable Development Goals)は、
国連サミットで決まった新たな国際目標。貧困、飢餓、健康、教育、エネルギー、まちづくりなど
17のゴールと169のターゲットからなり、
地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。
日本でも国や地方自治体、企業でさまざまな取り組みが始まっています。
ここでは各テーマと、特徴ある事例をご紹介。
該当する企業の取り組みに賛同したり、商品を購入したりすることで、
あなたもSDGSの活動に協力できます。
今回は、8番目のテーマ「働きがいも経済成長も」についてお伝えします。
ワークライフバランスの
とれた毎日
「働きがい」と「経済成長」生み出す
自分のやりたい仕事に就いて、生き生きとした毎日が送れるのは、とても素敵なこと。適切な評価を得られたら一層気持ちは前向きになり、仕事のクオリティが上がって社会に還元できるものも大きくなるでしょう。この繰り返しが豊かな社会をつくります。このことからもわかるように「働きがい」と「経済成長」は深く関係し合っているのです。働きがいをもって仕事にのぞむ人が多ければ多いほど経済は成長します。では、逆の場合はどうでしょう?
世界の人口のおよそ半分の人が、1日約2ドル(約210円・2021年2月時点)にも満たない安い賃金で働いています。さらに働きたくても職がない人は世界で約1.9億人にも上ると言われています。そうかと思えば、さまざまな理由から働かざるを得ない子どもたちもたくさんいます。5~17歳で働いている子どもの数は約1億5,200万人。世界の子どもの10人に1人が暮らしのために労働をしている計算になります。教育を受けないままでは正規の仕事に就きづらく、仕事は不安定になりがち。その結果、貧困が続いたり、犯罪に巻き込まれたり、負の連鎖が続くことにつながります。
日本でも長時間の労働による過労死発生の増加、非正規職員と正規職員の収入格差、引きこもりなどの問題があり、みんながやりがいを持って働いているとはいえない状況にあります。
「働きがい」と「経済成長」を共に達成するために考えなければならないのが「ディーセント・ワーク」。ディーセント・ワークとは「働きがいのある人間らしい仕事」のことをいいます。まずは、あなたから働き方を見直し、仕事とプライベートの両方が充実した毎日を送ること。それが、世界の「働きがい」と「経済成長」につながります。
目標8 働きがいも経済成長も 詳細はこちら
日本郵政株式会社の
取り組み
~「人材の育成」と「働き方改革」の両輪で
能力発揮できる場をつくる~
日本郵政株式会社(本社:東京都千代田区)グループは「日本郵政グループCSR基本方針」で掲げる主要テーマである 「地域社会」「地球環境」「人」の3分野で「CSR重点課題」を選定。SDGsの各目標と連動した活動を推進しています。
重点課題のひとつに掲げたのが「人材の育成」と「働き方改革」。実現に向け活動することで、従業員一人ひとりがいきいきと能力を十分に発揮し活躍できる職場を目指しています。
例を挙げると、キャリアパスに応じた研修、女性の役職者登用等業員の健康保持・増進などを推進など。女性管理者や障がい者雇用率のアップも目指し、女性管理者比率は、日本郵政が10%以上、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険が14%以上を、また障がい者雇用率はグループで2.5%の達成・維持することを目標にしています。
ひとりでも多くの人がそれぞれの力を発揮できるような環境を整えることで、社会が豊かなものになっていきますね。
日本郵政株式会社
こまちぷらすの取り組み
~一杯のコーヒーから生まれる
新しいやりがいと心の充実~
こまちぷらす(神奈川県横浜市)は「子育てがまちの力で豊かになる社会」を目指し、居場所としての常設のカフェの運営を中心に活動しています。
SDGs達成に向けた取り組みを始めたのは、2017年。カフェスタッフの「洗剤を使うと手が荒れる」というひと言がきっかけになったそうです。
カフェを通して、一般市民が「一杯のコーヒーを飲む敷居の低さ」から場に参画し、やりたいことを見つけて、その結果として地域の担い手になっていく循環を生み出すモデルを創り、広げることを目指しています。実際に、カフェをきっかけに集まった30人のボランティアが、難病をテーマにした上映会を実施して350人を動員したという結果もうまれています。
また、カフェでのおしゃべりでリフレッシュした若いママが心のゆとりを取り戻し、子どもと楽しく過ごす姿が見られるのは二一条茶飯事。中にはそのような経験をしたい人が、パートナー登録をするなど「正」の転換が起こり始めています。
こまちぷらす