新宿駅新南口から徒歩3分程の所に建つビルの6階に、ご紹介の〈Bespoke Tailor YOSHIDAYA〉が店を構える。看板などは出していない。ここは知る人ぞ知る、隠れ家のようなテーラーである。
オーナーの吉田宗由氏は、北九州の小倉で創業101年となる老舗テーラーの3代目。父親の仕事を見ながら育ち、フルオーダー、パターンオーダー、仕立ての基礎を徹底して学んだ。さらに、大手有名テーラーでは営業を含め20年近い修業を積んでいる。独立して新宿に店を開いたのが2012年のこと。
吉田氏が最もこだわるのは「ミリ単位の仕立て」。お客様にぴったりの着心地で、誰が見ても美しいと感じるシルエットは、着る人の自信やモチベーションへと繋がり、時に言葉以上に“自分自身”を語る一着となるからである。そのために、お客様とはじっくりと対話（＝ビスポーク）を重ね、ライフスタイルやお好みに合わせ、体型のコンプレックスなどもトータルなサイジングでカバーしながら、魅力や個性を引き出し、お客様にとって史上最高の一着を仕立てることが、吉田氏のスーツづくりのモットーである。
また、こだわりの一着を仕立てるために重要となるのが信頼できる縫製工場で、同社では現在7社と提携している。いずれも、修業時代に実際に見てきた工場の中から、吉田氏が「良いものを一緒に創りたい」と思ったところをパートナーとして選んでいる。国内でも屈指とされる工場も名を連ね、仕上がりの品質の高さは言うまでもない。
店には、“幸服”と書かれた額が飾られている。この言葉には、技術と感性、そしてお客様の人生に寄り添い、幸を運ぶ服づくりを行うという吉田氏の気持ちが込められている。
お洒落は心の栄養——そう思える一着を、〈Bespoke Tailor YOSHIDAYA〉でオーダーしてみてはいかがだろう。
