昼夜休むことを知らない大阪都心にありながら、〈LACERBA〉からの眺めは緑にあふれて心地良い時間が過ぎていく。ここはイタリア本国の名店で修業を積んだシェフ・藤田政昭氏が、これまで生きていた半生を通じてその身に吸収してきた感性と造詣を、あたかもアートギャラリーのように散りばめたレストラン。
店名の〈LACERBA〉は、20世紀初頭にイタリアで起こった文化芸術活動「未来派」が発行していた機関紙のタイトルだ。その店名にこめられているのは、日本やヨーロッパの風土や歴史が培った偉大なる文化をリスペクトしつつ、「覧古孝新」「不易流行」といったワードをテーマに、未来派がかつて提唱した人類の未来への渇望と夢を現代に蘇らせながら、新しいガストロノミーの世界を大阪から発信していきたい—という想いだ。
少量多品で構成されるメニューは、季節の食材をつかったシェフ渾身のおまかせ料理。素材には大阪近郊の生命力あふれる新鮮な食材を中心に、イタリアの伝統的な郷土料理にモダンなタッチとオリジナリティーを加えた独創的な料理の数々が、選りすぐりの現代作家の器で供される。その一皿一皿は、きっと生まれてはじめて目にする新鮮な一皿に違いない。まさにアートだ。お召し上がりになる前にまず目でも存分に愉しめる。
フロアでサービスを担当するソムリエの大本彩加氏の料理に合わせたペアリングの提案力にも定評があるので運転のご心配のなき方は是非お試しを。料理とワインのアートスケープを心ゆくまでお愉しみいただきたい。
同店は完全予約制。大切な方との記念日やお仲間うちとの会食や、一人でゆっくり過ごしたい…という気分の日にも。〈LACERBA〉があなたのとっておきの居場所になってくれる。
