Lito

Lito

発酵を取り入れたイノベーティブイタリアン
ドリンクとのペアリングも秀逸

　シンプルな紙に記されているのは、その日のコースの素材名。どんな一品となって目の前に出てくるのか—胸がときめき期待が高まる。

　地元名古屋にはない発酵を駆使したイタリアンとして、2023年11月のオープン以来、右肩上がりにファンを増やす〈Lito〉。お客様をお迎えするのは、名古屋のランドマーク的存在、テレビ塔にほど近いビルの2階。オーナーシェフは、発酵と熟成をテーマに展開する軽井沢の超人気店「Naz」の立ち上げにも携わった窪田理人氏だ。

　メニューは昼・夜共に一斉スタートのおまかせのみ。イタリア料理をベースに地元の食材や全国の厳選した食材を使ったイノベーティブな料理は、シンプルながらひと手間も二手間もかけて奥深い味わいに。もっちりとしたパスタは、その場で打ち立て。独自の技法で発酵させた野菜や果実の酸味や旨味を料理のアクセントとして用いることも、窪田シェフの持ち味だ。

　また、窪田シェフがソムリエである強みを生かしたペアリングの素晴らしさも定評があり、自身が手掛ける料理にぴったりのワインはもちろん、ノンアルコールドリンクのペアリングのご用意があるのもうれしい限り。自家製で丁寧に作られたものばかりなので、お酒が飲めない方もペアリングを愉しんでいただきたい。

　オープンキッチンを備えた店内は、無垢の木を使った落ち着きのある空間に、カウンター4席とテーブルが2卓。器やカトラリーは、全国の作家に依頼した特注品で季節によって入れ替える。ドリンクに用いるグラスは、創業百年の千葉の老舗「木村硝子店」のもの。スタッフ全員が料理人でありサービスもこなし、厨房とお客様の距離感が何とも言えず和やかで心地良い。料理やワインについての説明を、窪田シェフが一つひとつ丁寧に説明してくれるのもうれしい計らいだ。

　大々的な宣伝はしていない。が、名古屋はもちろん県外から訪れるファンも多く、なかなかに予約が取りにくい状況に。確実を期すためにも早めのご予約をお忘れなく。

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