清澄白河駅より徒歩2分。近くには小名木川が流れ、古き良き下町情緒溢れる住宅街の一角に紫色の暖簾と笹の葉が目を引く〈清澄たか原〉。2022年3月にオープンした、完全予約制の懐石料理店だ。京都・祇園や東京・赤坂等で研鑽を積んだ店主が提供する、昔ながらの京料理をベースとした様々な料理を味わうことができる。
店内に足を踏み入れると、木目調のカウンターで清潔感のある寛ぎの空間が広がる。厨房を一望できるカウンター席では、五感を刺激する演出とライブ感を味わうことができる。カウンターでの食事は少々敷居の高さを感じてしまいがちだが、〈清澄たか原〉では肩肘張ることなく店主との会話を楽しんでいただきたい。床の間や個室も完備されており、幅広いシーンに応じて使い分けができるのも嬉しいポイント。
〈清澄たか原〉のお品書きは、季節のおまかせコースのみ。店主が毎朝豊洲市場に足を運び、自ら目利きして旬の食材を仕入れている。完全予約制だからこそ、新鮮な食材で季節の香りを醸した一皿を提供することができる。仕入れた食材によって内容は日替わりとなるが、京料理がベースとなっていることもあり、どの料理も出汁の美味しさが際立つ。出汁が下支えする上で個々の素材の香りや味わいが広がる、繊細なバランスをお愉しみいただきたい。料理に合わせて日本酒やワイン、ノンアルコールドリンクなども多彩に取り揃えられており、ゆったりと贅沢な時間を過ごすことができる。
料理はもちろん、盛り付ける器にも店主のこだわりが光る。京都の骨董屋で実際に見て触り、厳選した食器を仕入れている。茶碗や小鉢など、一度の食事で様々な食器を使う和食だからこそ、味だけでなく目で愉しむこともお忘れなく。
丁寧に素材に向き合い、四季折々の味わいで愉しませてくれる〈清澄たか原〉。特別な日の食事にぜひ訪れていただきたい名店である。
