ススキノで、今夜は美味い鮨をつまみたいな…という時、足が向くのが、ここ〈鮨たいら〉。大人のバーを思わせるシックな内外装は、人気ホテルや旅館を手掛ける札幌の建築家・中山眞琴氏の手によるもので、大人の隠れ家の趣がある。
店主の小平義人氏はいたってきさくでフレンドリー。予約制のコース一本で、スタートに時間指定を取り入れる店が増える中、同店はお席が空いてさえいれば、突然訪れても快く迎えてくれる。また、お客様に合わせて自由にコースを見繕ったり、お好みのものを加えたり、ご相談いただければ一品料理も誂えてくれるというから実に嬉しい。極端な話、ふらっと来店したものの、今日はあまり鮨は入らないといった気分であれば、鮨は食べなくても構わない——そんな懐の深さが店主のお客様想いの人柄を物語るのである。
鮨ネタや料理の素材には、北海道産のみならず豊洲の名店「やま幸」から仕入れるマグロをはじめ、日本全国の旬をふんだんに。さらに、道外からのお客様には北海道のものを中心に。また、道内の方には本州の食材を意識して増やす等、お客様一人ひとりに沿った気配りも行き届いている。
また、お客様の飲みたいもの、食べたいものを自由に愉しむための街・ススキノという場所柄もあり、アルコールのラインナップも幅広く、日本酒の品揃えはもちろんのこと、ワインやシャンパンも目利きの銘柄が揃い、店内のセラーからご自身で選ぶことができるというのも粋な計らいだ。料理や鮨とのおすすめのペアリングやマリアージュもどうぞ店主にご相談を。
「カジュアルな金額ではないものの、鮨は究極のファストフードです」と小平氏。だからこそ、肩ひじを張らずに気軽に楽しく味わっていただくことを大切に。自由度の高いスタイルで、お客様に緊張させない空間づくりや接客を心がけてくれるので、鮨は大好きだけれど、恐る恐るかしこまって食べるのはしんどくて…という方こそ是非訪れていただきたい。
