Cayenne

Cayenne

日本料理を基本に採れたての食材で味わう
和歌山のジオ・ガストロノミー

　本州最南端の地として有名な串本町。JR紀勢本線串本駅から約300ｍほど、港町の一角で暖簾を掲げる日本料理の店がご紹介する〈Cayenne〉である。

　店主の川端廣（こう）氏は、大阪や京都のミシュラン店にて研鑽を積み、2019年に和歌山へ帰郷。新宮市で同店を開き、現在の店舗がある串本町へは、2023年9月に移転した。店内はカウンターに6席とテーブルに4席、お座敷に8席を用意し、自作だという虎の襖絵が非常に見事で、全体的にモダンで落ち着きある雰囲気でまとめられている。

　日本料理店にしては珍しい洋風な名前の同店。そこには、日本料理をベースに分子料理や各国の料理技術を融合したジャンルに捕らわれない、新しいスタイルの料理を提供したいとの想いから“Cayenne：赤唐辛子”という名にしたのだという。

　料理のコンセプトは、ジオ・ガストロノミー。串本町の目の前は、言わずとしれた魚介類の豊富な太平洋。串本漁港は店から徒歩でも行けるほど近く、周囲は自然に囲まれた場所であることから、採れたての新鮮野菜も手に入る。食材に恵まれ、一流店で腕を磨いた川端氏が手掛けるのは、旬の美味しさと香り、日本料理ならではの季節感と繊細さを大切にした、盛り付けも美しい料理の数々。器にもこだわっており、信楽焼をはじめ、江戸時代や大正時代の1点物の貴重な器も使っている。

　料理と一緒に愉しめる酒類は、ワインならナパをメインに、日本酒は和歌山の地酒を中心にマニアックな銘柄も揃えている。

　店は、川端氏の人柄とスタッフの心温まる接客も評判だ。場所柄、クオリティの高い料理をリーズナブルに愉しむことができるので、ぜひ一度

店舗情報